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【イベント・レポート】『潜望鏡上げ~潜水艦艦長への道』刊行記念 山内敏秀さんトークショー&サイン会


去る1月6日(金)、東京・神保町の書泉グランデさんにて、山内敏秀さんのトークショー&サイン会が行われました。
書泉グランデさんは、ミリタリーの書籍に関しては、全国でも屈指の品揃えを誇る書店さんです。
ミリタリーご担当のKさんとは、かねてから「いい企画があれば、是非イベントをやりましょう」と話していましたが、ついに実現しました。
今回のイベントは、『潜望鏡上げ~潜水艦艦長への道』の刊行を記念して行われたものです。
著者の山内敏秀さんは、潜水艦せとしおの元艦長。
実際に潜水艦に乗っていた方の貴重なお話しを聞こうと、新年早々にも関わらず、開場前から既に列が出来るほど、熱心なファンの方が大勢集まりました。
お若い方から年配の方、更には、女性の方もいらっしゃいます。
MC役は、軍事フォトジャーナリストの菊池征男さん。
イベントは、菊池さんの挨拶から始まりました。
菊池さんが「私はMCですが、名前だけです」と言うと、会場に笑い声が起こります。
菊池さんの紹介を受けた山内さんは、「こんなに簡単なMCは生まれて初めてです。何から話していいのか。まずは、あけましておめでとうございます。お忙しい中、皆さん、ありがとうございます」とご挨拶。
最初は、本が生まれた経緯から。
前作『潜航』は、防衛大学校の8期上の先輩から「潜水艦の本を書け」と言われたのがきっかけだそうです。
1期上でも逆らえない防大の先輩。
8期上だと神様のようなものだそうで、やむなく書くことになったとか。
「『潜望鏡上げ』はその続編です。今回は、現役ではないので、好きに書けました。」
山内さんのお話しを、熱心にメモを取りながら聴いているお客様も多数いらっしゃいます。
続いて、「潜水艦の艦長は一匹狼です」というお話し。
「ところで、私は脱線したら止まりませんから」と、話しが脱線すると、最前列の方に「どこまで話しましたっけ?」と尋ねられる山内さん。
その度に、会場は笑いに包まれます。
潜水艦の艦長というと、怖い人を想像してしまいますが、山内さんは、厳しさの中にも、ユーモアのセンスを忘れない方です。
「深みに入っている時は、神様よりもオレの方が偉いのかななんて。生殺与奪の権を握っている。部下の今を預かっている。その自覚がないと、館長になる資格はありません。」
朗々としたお話しぶりです。
「艦長というのは誰でもなれるわけではありません。候補が年間14~15名。そのうち、艦長になるのは数名です」
今度は、「呉も横須賀も、潜水艦にとっては入りにくい岸壁です」というお話しへ。
「潜水艦は、速力を落とすとほとんど舵がききません。横須賀は180度回らないと入港できない。呉は松山行きのフェリーをかいくぐって進まなければなりません。」
船の間をかいくぐって進む訓練は、関門海峡いっぱいに船を出して行うそうです。
更に、魚雷のお話し。
「自衛隊は潤沢に魚雷を持っているわけではありません。その魚雷をコントロールするのが艦長の腕です。艦長の頭はコンピュータ並みでないといけません。魚雷を命中させた時は男冥利に尽きます。」
対戦相手をいかに振り切るかは、まさにキツネとタヌキのバカし合いなのだとか。
それから、ヘリのホバリングは出力を最大にしますが、潜水艦のホバリングは完全に死んだふりをするのだそうです。
このあたりから、山内さんはお客様にも参加していただこうと、質疑応答を交えながらお話しを進められました。
お客様からは、実に活発に質問が出ます。
それに対して、「いい質問ですね!」を連発される山内さん。
「潜水艦は密閉空間なので、常に酸素濃度を意識します。酸素は積んではいますが、緊急用なので滅多に補填しません。」
「海上自衛隊は水素には敏感です。なぜなら、爆発するので。」
それから、電池のお話しでは、お客様から大変鋭い質問がありました。
「私はスマホの電池管理は皆さんよりも厳しいです」とおっしゃる山内さん。
そんなところにも、お仕事柄が出るのですね。
MCの菊池さんの出る幕はほとんどなく、ずっとお一人でお話しを進めていらっしゃった山内さんですが、ここで、ようやく菊池さんのお話しに。
「私は菊池さんとは40年の付き合いなんですよ。なので、気心が知れています。」
興味深いお話しがたくさんあり過ぎて、到底ここには書き切れませんが、最後に山内さんが語られた「ディーゼル・スメル」のお話しが、とても印象に残りました。
飲み屋に行って、「お客さん、何の仕事ですか?」と聞かれると、「何だと思う?」と聞き返します。
「わからないけど、ヘンな匂いがする。」
それが「ディーゼル・スメル」なのだそうです。
それが「誇り」なのだと。
「今日は本当にありがとうございました」と、丁寧なご挨拶でトークショーは締めくくられました。
トークショー終了後は、サイン会になりました。
『潜望鏡上げ』または『潜航』をお持ちになった方には、山内さんがサインを入れて下さいます。
この日のために用意された『潜航』は、お陰様で完売しました。
山内さんは、サインをしながら、皆様と思い思いにお話しをされ、また、写真撮影にも気軽に応じて下さいました。
また、お客様からのプレゼントもあり、これには山内さんも大変お喜びでした。
色々な内容が盛り沢山の、素晴らしいイベントになったと思います。
ご参加下さいましたお客様、山内さん、菊池さん、書泉グランデさん、本当にありがとうございました。
当日参加出来なかった方も、書泉グランデさん、書泉ブックタワーさんを始め、全国の書店さんで引き続き『潜望鏡上げ』が販売されていますので、ぜひお買い求め下さい。
今後も、弊社では様々なイベントを企画しておりますので、どうぞよろしくお願いします。

【告知】『潜望鏡上げ~潜水艦艦長への道』刊行記念 山内敏秀さんトークショー&サイン会

開催場所/開催日時 書泉グランデ(神保町)7F
2017年1月6日(金)19:00開演(18:45開場)
>お問い合わせ

発券場所/発券日時 書泉グランデ(神保町)5F
2016年12月02日(金) 店頭受付10:00より
メール、電話受付13:00より
>お問い合わせ

『潜望鏡上げ~潜水艦艦長への道』(かや書房)の刊行を記念して、著者である潜水艦「せとしお」の元艦長・山内敏秀さんが、誰もが憧れる潜水艦艦長への道について語ります。トークショー終了後にはサイン会も行います。

MC:菊池征男さん(軍事フォトジャーナリスト)

※『潜望鏡上げ~潜水艦艦長への道』(かや書房刊)をご持参の方には、山内敏秀さんがサインをお入れします。

【参加方向】
12月2日より、書泉グランデ5階にてご参加希望のお客様先着50名様に参加券をお渡しします。

※お電話・メールでもご予約受け付けます。(12月2日13時より受付開始)

お電話でのご予約
書泉グランデ5階フロアへお電話ください。(電話番号03-⁠3295-⁠0011)

メールでのご予約
上部のイベントタイトルすぐ下の「>お問い合わせ」ボタンより氏名・電話番号をご記入の上、書泉グランデ5階までメール送信をしてください。
確認とれ次第、お申し込みいただいたメールアドレス宛てに受付完了メールをお送りします。(メール受付は前日18時までとさせていただきます)

お問い合わせ 書泉グランデ5階フロア(03-3295-0011)